高崎市の産業
高崎市は、古くから「交通の要衝」と呼ばれ、交通や商業発展のための重要な地点としての役割を担ってきました。このため、関越・上信越・北関東自動車道といった高速道路や上越・北陸新幹線から成る高速交通網による抜群のアクセス性を誇っており、東京など首都圏から多くのビジネスマンが訪れています。加えて、地震や自然災害が少なく、気候にも恵まれた高崎市には、国内トップの家電量販店本社、国際的にトップシェアを持つメーカーの基幹工場、欧州に本社を置くグローバル企業の日本工場、先端産業の研究施設が数多く集まるなど、全国屈指の「ビジネス拠点都市」として選ばれる存在となっています。
■経済規模は県内1位
『平成28年経済センサス(※)』では、高崎市の民営事業所数は1万6,940事業所、従業者数は17万4,044人で、群馬県内で1位となっています。 産業別に事業所数を見ると、「建設業」、「情報通信業」、「卸売・小売業」、「不動産・物品賃貸業」、「宿泊業・飲食業」、「生活関連サービス業・娯楽業」、「医療・福祉」、「複合サービス業」が県内で最も多く、「製造業」などの他の産業についても県内2位となっており、県内の産業の多くが高崎市に集中していることがわかります。 ※「経済センサス」:全国すべての企業・事業所を対象に行われる、事業の種類や業態、従業者数などに 関する国の調査
■食品・化学工業出荷額が県内1位
『2020年群馬県工業統計調査』で、高崎市の工業製品出荷額は9,519億円で太田市、伊勢崎市に次ぎ3位となっていますが、食品工業と化学工業が強く、これらの出荷額では県内1位を誇ります。 高崎市の食品工業を牽引する企業としては、大手食品メーカーである「ケロッグ」、「ハーゲンダッツ」、「第一屋製パン」、「東海漬物」、「クラシエフーズ」、「大塚製薬」、地元企業では、「高崎ハム」、「ガトーフェスタハラダ」、「ハルナビバレッジ」、「オリヒロ」、「高崎森永」などが挙げられます。「ケロッグ」も「ハーゲンダッツ」も国内唯一の生産工場で、高崎ブランドと言えます。 化学工業では、国内有数の化学工場である「群栄化学工業」が大きな存在となっています。
■ナンバーワン、オンリーワンの個性派企業
高崎市には、先端産業や高度な専門技術で全国展開する企業も数多くあります。 先端産業では「日本原子力開発機構高崎量子応用研究所」、バイオテクノロジーと抗体医薬の「協和キリン高崎工場」が挙げられます。
燃焼技術の世界特許で国内外の廃棄物問題の解決をリードする「キンセイ産業」、鉄道車輌用ジャンパ連結器で日本一の技術を持つ「ユタカ製作所」、リコイルスターター国内シェア8割・世界シェア5割の「スターテング工業」、醸造プラント国内シェア9割の「三宅製作所」もオンリーワンのものづくり企業です。「エスビック」はブロック・エクステリア資材、「IPF」は自動車照明の全国ブランドとして揺るぎないポジションを確立しています。
こうした企業は枚挙にいとまがなく、高崎市は、独自技術を誇る企業が集積する「ものづくりシティ」といえます。
■駅周辺エリアに業務機能が集積
高崎駅周辺地域は、高崎城の城下町として形成され、その後も、鉄道路線網の結節点、経済の中心として発展を続け、市の玄関口及び群馬県の「商都」としてにぎわいのある景観が形成されてきました。多くの地方都市では、中心市街地の活力が衰え、駅周辺の大型店撤退や商店街のシャッター通り化が課題となっていますが、高崎市では、「スズラン高崎店」、「高崎髙島屋」、「高崎オーパ」、「高崎モントレー」、「ヤマダ電機LABI1高崎」の5店の大型店、百貨店と23の商店街がまちなかに存在するなど、全国的に誇れる商業力が集まっており、『平成26年群馬県商業統計』において、高崎市の小売業年間商品販売額は4,423億円で県内1位となっています。
卸売業については、1967年、11万坪という広大な土地に、市内卸商社約170社が集まり、日本で第1号の卸商業団地「高崎問屋街」が誕生して以来、北関東の流通の中核拠点としての地位を築いています。2004年にはJR高崎問屋町駅が開業し、これを機に、大手企業や大学の移転進出など街の発展が加速しています。卸売業販売額も2兆2,487億円でこちらも県内1位となっています。